今月のイチオシ

日本各地の公立美術館コレクションをあげました。 ※作品の画像は各図録より引用しており、どの図録も個性的で魅力的です。ぜひ手に取ってみてください。

出典:新潟県立近代美術館図録

土田麦僊

「舞妓林泉」1924年

土田麦僊(ツチダバクセン)は、新潟県佐渡市生まれ。
1904年に竹内栖鳳に弟子入り。ルノワール、ゴーギャンの傾倒し、伝統的な日本画に西洋絵画の重厚感、合理的な空間、幾何学的な構図など新たな絵画の創造を目指した。
※「舞妓林泉」は東京国立近代美術館所蔵


新潟県立近代美術館

出典:図録「TAD 富山県美術館」

前田常作

「人間誕生No.5」1963年

前田常作(マエダジョウサク)は、富山県入善市生まれ。
武蔵野美術大学西洋画科を卒業。1957年渡欧、70年代インド、ネパール、中国で独自の宇宙観や信仰に基づくマンダラ図を展開する。
この「人間誕生No.5」は長女の誕生をきっかけに描かれたシリーズで、記号化された形象は東洋的な間を感じさせ、生命の光を感じさせる。



富山県美術館

出典:図録「TAD 富山県美術館」

郷倉千靭

「庭と仔犬」1953年

郷倉千靭(ゴウクラセンジン)は、富山県小杉町生まれ。
東京美術学校日本画科を卒業。
1932年に帝国美術学校教授、36年には多摩美術学校教授となる。
60年日本芸術院賞受賞。写実を基盤とした花鳥画や、仏教を題材にした作品多数。

富山県美術館

出典:新潟県立近代美術館コレクションVol.2「古径・麦僊・操―新潟出身の日本画家―」

小林古径

「飛鴨」1930年

小林古径は、新潟県上越市生まれ。
この「飛鴨」は、第2回聖徳太子奉賛美術展に出品されました。
鴨の美しく飛ぶ姿とともに、背景には薄墨で表現されたうねる水面がみられ、荒々しさも感じられる作品です。

新潟県立近代美術館

出典:新潟県立近代美術館コレクションVol.2「古径・麦僊・操―新潟出身の日本画家―」

横山 操

「高速4号線」1964年

横山操は、新潟県西蒲原郡吉田町生まれ。
敗戦後、シベリアに約4年半抑留されるという過酷な体験をする。
戦後の西洋的な風潮に対し、日本画の確固たる存在基盤を追求し、独自の世界を探求した。

新潟県立近代美術館

出典:「新潟県立近代美術館コレクションVol.7「佐藤哲三―人と作品」

佐藤哲三

「郵便脚夫宮下君」1931年

佐藤哲三は、新潟県長岡市生まれ。
蒲原平野に生きた郷土の画家で、生涯蒲原の地に留まって制作を続けた。
この「郵便脚夫宮下君」は、モデルを務めた友人宮下氏への思い溢れる作品。背景の三分割など独自の表現となっている。

新潟県立近代美術館